大雨などの洪水時に手取川本川の水が濁る度に土砂などが運ばれて、それらが水路の広範囲に堆積し、維持管理が困難となっていたため、手取川から流れてくる水に含まれる土砂を最上流部で留めて、一定条件下において手取川本川へ戻すために、宮竹逆サイフォンの吐口部の直下に設備されたものです。
堆砂は、沈砂池で水路を広くすることによって流速を遅くさせ、土砂などを沈殿させます。
排砂は、沈砂池の下流部にある排砂水門を開けて地中に埋設の排砂管を通じ、用水路の上流から流れる水を利用して手取川へ排出します。
方式 | 自然排砂方式 |
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全体延長 | L=111.9m |
沈砂溝 | N=6連(L=42.0m、W=19.4m(2.9m/溝)、H=2.3m〜4.47m)、最大水深H=3.673m |
管理水門(上流) | N=3門(沈砂溝2連につき1門) |
排砂水門(下流) | N=6門(沈砂溝1連につき1門) |
排砂管(樋管) | φ800 高密度ポリエチレン管 |
計画堆積量 | 250㎥ |
対象土砂粒径上 | 粒径0.3mm以上 |
沈砂溝流速 | V=1.5m/秒 → 0.2m/秒に低減 |
排砂管内流速 | V=3.1m/秒 |
掃流力 | 粒径60mm程度を排除可能 |
沈砂池に溜まった土砂を手取川へ排出する作業は、手取川本流の流量が180㎥/秒に達した場合などに行われます。この時の手取川の状況は濁った状態であり、6連ある沈砂溝のうち1連ずつ行います。
また、排砂作業中に180㎥より減少した場合は、作業中の沈砂溝の排砂が完了後、新たな沈砂溝の排砂作業は行われません。